いくつになっても末っ子気質

思ったことをつらつらと 三十路真っ只中主婦のエッセイ 

縄張りを荒らされた時に、やめてと言える勇気が欲しい

基本的に1人が好きだ。

自分の中には小さなルールがいくつもあって、それを勝手に破られると叫びたくなる。

 

先日、義母が我が家に一泊した。

それも、一緒に旅行に行って帰ってきた日に。

 

旅行中はたいしてイラつくこともなくアテンド出来てたと思う。

親をアテンドしながらの旅と言うのは自分が楽しむことは二の次になり、結構な気苦労があった。それでも楽しんでくれているのが伝わってきたから最後までやり遂げることが出来た。

 

問題は新幹線を降りてからである。

 

疲れ果てていたわたしは夕飯を食べる気力もなく、出来ることなら外で食べていきたかった。ところが後ろから聞こえてきた会話はこうである。

 

夫 :何食べたい?

義母:んー、そうめん!

 

おい待て。そうめんて何?茹でろってか?つーかそうめんなんてないし。この足で買い物しなきゃじゃん。否、ここで“疲れているのでご飯なんて作れない。食べていくか買っていくかしたい”と言えればよかった。言えなかった。これが嫁と言うものなのか?

 

そうこうして帰宅。

我が家に一番に飛び込んだのは義母。わたしが入る頃には既にテレビもつけられており、そこはホームのはずなのに完全アウェイ。切らないように張り詰めていた糸がプツンと切れた。

 

もー嫌だ!汗だくで気持ち悪い!お風呂!お風呂入ってくる!

 

と、とりあえずお風呂に逃げ込んだ。これが功を奏し、見事に気持ちを切り替え2人分のご飯を作った。そう、わたしは夕飯なんていらなかったのだ。疲れ果てていたのもあるし、19時半過ぎにご飯なんて食べたくない。わたしの苛立ちをビンビンに感じ取っていた夫は、自分で茹でますと言ってくれたけど、わたしのキッチンを他の人に使われるくらいなら自分で作って方がよっぽどマシだ。悪びれることもなく食事を平らげた義母はさっさとお風呂に入り、上がったらあーだこーだ言いながらテレビを観ていたと思いきや気づけばクークーと寝ていた。

翌朝も好き勝手にして、挙句は朝ドラを観始めた。それまだ昨日の分観てないから聞きたくないんだけど!急いで風呂場に逃げ込み掃除を始めた。

 

なんでそんなに自由なの.....?

 

この苛立ちは何も義母に向けてだけ感じることではない。

相手が誰であれ、縄張りを荒らされたら発狂する。

 

トイレ行く時は初めくらいは一声かけろ!

洗面所やらお風呂やらのものだって勝手に使うな!

テレビも承諾を得てからつけたり変えたりしてよ!

リモコンの位置とか向きとかも決まりがあるの!

そこはいつも化粧するところだからどいてよ!

 

人の縄張りではその人のルールに乗っ取ってよ!!!

 

他にも細々とした苛立ちが数え切れないくらいあったが、もう少しの辛抱だと言い聞かせて我慢に我慢を重ねた結果、義母と目を合わせることも嫌になり相槌もおざなりになった。自分でも心が狭すぎると自負している。だけど嫌なものは嫌なのだ。気に触ることが多過ぎた。ここで嫌なことは嫌だと言えればまた違ったのだろう。しかし言ったところで通じない気がするし、なにそれー!と一蹴されるだけの気がして黙って我慢するほかなかった。

 

わたしは神経質なのだろうか。

 

あまり自覚はないがそう言われることが少なくない。みんな嫌じゃないの?

みんなそんなに心が広いの?

 

人が家に来るってこんなに気疲れするもんなんだなぁ。

早く1人になりたい!と朝っぱらから号泣して夫を困らせてしまった。自分で思っていたよりもずっと神経が擦り切れていたのかもしれない。

 

嫌なことを嫌だと言える勇気が欲しい。

嫌なことを嫌だと言えない自分に腹が立った。

 

そんな旅の終わりであった。