いくつになっても末っ子気質

思ったことをつらつらと 三十路真っ只中主婦のエッセイ 

初めての産婦人科 衝撃の自動足開きマシーン初体験

妊娠検査薬陽性を受け、年末に産婦人科を受診した。

姉の出産の際に訪れたことがあるだけで、35歳にして自分でかかるのは初めてだった。

 

待合室に入ってまず驚いたのは、旦那さん同伴での妊婦さんが大多数だったこと。17時過ぎという時間も関係はしているのかもしれないが、これは予想外だった。

 

受付を済ませ、まずは問診票の記入を促される。最終生理の開始日やら初潮を迎えた年齢やら、風邪をひいて町のお医者さんにかかる時とはまるで違う問診票の内容に面食らった。いやー、初潮を迎えた年齢なんて覚えてないもんだわ。

そして一番衝撃を受けた質問は、

 

妊娠継続を希望しますか? はい いいえ

 

そうか、望まない妊娠をした人もいるのか。これには脳天を突かれた思いだった。

 

問診票の記入が終わると採尿。

そして時は満ち、産婦人科の先生との初顔合わせの時間がやってきた。

最初に何か話したのだろうが、この後の展開によりまるで覚えていない。診察室の右側にまたドアがあり、そっちに移動して内診をしますというのだ。言われるがまま隣室に移動すると、看護師さんと思しき女性から、下着をとって椅子に座って足にバスタオルをかけて準備してくださいと指示された。一応予習はしてきたので、膣に器具を入れて子宮の中を診るという可能性があるというのはわかっていた。しかしながら、最近では超音波のみで内診はない所もあると何処かのサイトに書いてあったので、一縷の望みを抱いていたのだ。そんな望みは儚く潰えた。まさかこんなにあっさり股開き体験をする時がくるとは。

 

相手は1日に何度内診しているかわからないほどの百戦錬磨のプロ、そんな先生相手に恥じている場合ではないし、先生にとっては造作ないこと。ここで怯んでは女が廃る。数秒の戸惑いの後、すばやく下着をとり、平静を装い椅子に腰掛けバスタオルをかける。

 

そして本当の戸惑いはこの後訪れた。

 

椅子が動く、だと?

 

そう、自動で椅子が動くのだ。足を開くというのは友達から聞いていたが、よもや椅子が勝手に動くとは。なんとハイテクな時代。回転した椅子は自動音声とともに上昇し、頭が下に、足が上になるように傾き、上昇が終わると勝手に足が開かれてしまった。下半身を境にカーテンはひかれているが、これはなんとゆう辱め。経産婦の友人が言っていた“何度股開いたことか”というあられもない発言が走馬灯のようにぐるぐる回る。あれはこういうことだったんだね...!すーすーする、すーすーするよお母さん!

 

そしてもう1つ、驚くべきはその角度である。

嘘だろ?まだ傾くの?どんだけ急なジェットコースターに乗せるつもりだ!?的な頭の下がりっぷり。自動足開きマシーンという名の(←勝手に命名)アトラクションへの興奮冷めやらぬ状態のわたしに、容赦無く内診をかましてくる百戦錬磨の先生。ぐりぐりされた後に“妊娠してますね”とのお言葉を頂き、モニターに映された子宮内の様子を見せてくれたのだが、如何せん頭がだいぶ下がっているので頭を上げるのも結構大変だった。これから初めてこの経験をする方へ、ポニーテールや脳天以外のお団子ヘアはやめたほうがいいです。ポニーテールで行っちゃったら結構大変でした。

 

予想外の展開の連続に“ふぉ、ふぉーっ!”と奇声を上げていたわたしに、カーテン越しの看護師さんが“ふふっ”と笑っていたのは幻聴ではないだろう。

 

そんなこんなで初内診が終わり診察室に戻ると、エコー写真を渡され先生から手短に説明を受ける。現段階では予定日は確定出来ない。2週間後にまた来てくださいとのことだった。

 

世の中のお母さん方は凄い。偉い。そりゃ強くならざるを得ないわ。

このような体験をして、改めてそう思った。

 

次回、妊娠初期検査の巻。