いくつになっても末っ子気質

思ったことをつらつらと 三十路真っ只中主婦のエッセイ 

母子手帳交付の夢と現実

早いもので6ヶ月の妊婦になった。

妊婦検診にも少しづつ慣れてきて、診察前の体重・血圧測定もそつなくこなせるようになった。

 

前回の検診の後、助産師さんから聞き取り調査を受けた。

 

自分と配偶者の職業

家族構成と同居家族の有無

両親(特に母親)は元気か、仕事はしているのか、近くに住んでいるか

身近に育児相談を出来る人はいるのか

里帰りはするのか

 

内容は大体こんな感じ。要は育児できる環境下にあるのか否か、それを聞いておこうということなんだろう。夫と二人暮らし、夫は会社員で在宅勤務可、わたしは専業主婦、母も近くに住んでいて姉も経産婦なので色々聞ける。里帰りはしないつもり。まずは2人で育児をしてみて、どうにもならなくなってしまったら母に助けを求めるかもしれない。以上が答えだ。助産師さんとのやりとりには特に苛立つこともなく、穏やかな気持ちで産院を後にした。

 

以前同じような聞き取り調査を受けたことがある。

そう、区役所での母子手帳交付時である。

 

産院で妊婦認定を受けた翌日、母子手帳を貰いに区役所の妊娠・出産包括支援センターという部署に赴いた。書類に必要事項を書き込み、母子手帳その他諸々を貰う。そして、アンケートという名目で色々記入させられ、それを元に聞き取り調査が始まったのだ。

 

在宅勤務が出来る!?

専業主婦なんですか!?

里帰りしないんですか!?

え?手伝いにも来てもらわない!?

 

いちいち癇に障る返しをされ、苛々は募るばかり。極め付けはこれだ。

 

ああ、でもまあお仕事されてないんじゃあ助けも必要ないんですかね〜

 

と、半笑いで締め括られた。はいプッツン寸前。

どうにか抑え、だめなんですか?と問うてみた。

 

いえ?羨ましいなあと思って〜笑

 

あ?なんだこいつ?苛々は頂点に達し、睨み付けていたかもしれない。

と、ふいに席を立つ相手。何も言わずいなくなってしまいそうだったので、もういいですか?と声を掛けると、気の無い返事だけが返ってきたので颯爽と帰ってやった。

 

数ヶ月経った今でも思い出すとムカムカしてくるあの体験。

専業主婦がそんなに悪いのか。里帰りしないのはそんなに珍しいことなのか。

初めての妊娠で右も左もわからないけれど、まずは自分たちでやってみるというスタンスはそんなに批判されることなのか。

数多くの妊婦と対峙してきたであろう彼女にしてみれば、わたしは異端だったのかもしれない。だがしかしだ、あそこまでの悪態をつかれるとは予想だにしていなかった。

母子手帳交付といえば、ほんわかして幸せに溢れていて、みたいなものを想像していた自分が悪いのかもしれない。現実は全くほんわかしていなく、ダメージは相当なものだった。

 

現実は小説よりも奇なり。漫画やドラマばっか見ていると痛い目に合うという貴重な体験であった。