いくつになっても末っ子気質

思ったことをつらつらと 三十路真っ只中主婦のエッセイ 

舐めるような視線を体感したあの日

夫と結婚し、初めて夫の伯母にあたる親戚のお家にご挨拶に伺ったときだった。

 

まず度肝を抜かれたのは、聞き取れない方言であった。

伯父の放つ言葉のほとんどが理解出来ないのだ。

嘘だろ?ここ、日本だぜ?

 

わたしは生まれも育ちも大宮で、さして方言とは関わりなく生きてきた。

そのわたしにとって聞き取れない程の方言というのは結構なカルチャーショックで、軽くパニックになったことを覚えている。最初が肝心、舐められてはいけないと身構えていたのに、意味不明な愛想笑いを連発してしまったのだ。不覚、あまりにも不覚。

 

そして追い討ちをかけるような伯母からの質問攻めに合う。

否、あれはもはや尋問といっても過言ではない。

極め付けがあの視線である。下から上へ、言葉の通り舐めるような視線がまとわりついてきたのだ。

 

品定めだ、品定めされている...!

 

ドラマで見たことのあるあの恐ろしい視線、演技以外で本当に送ってくる人がいたとは...!口元には笑みを携えているが、目は笑っていない。恐ろしい、まさに蛇に睨まれた蛙状態である。

 

あれは貴重な体験だった。

結婚というのは本当に家と家の繋がりなんだなと、挨拶回りに行って思った。

本人同士が良くてもだめなことって結構出てくるものなのね。

しがらみなく平穏に暮らしていきたい今日この頃である。