いくつになっても末っ子気質

思ったことをつらつらと 三十路真っ只中主婦のエッセイ 

母親の前に末っ子だから

妻と子供が泣いています。

あなたはどちらを先に撫でますか?

 

ここ数日子供の機嫌が悪い時間が多く、久しぶりに爆発してしまった。

泣いている子供を抱きながら、わたしも声を上げて泣く。

どうしていいかわからず、心に溜まったものを吐き出すように、泣く。

すると、在宅ワークをしていた夫が仕事を切り上げて駆けつけて、わたしを先に撫でてくれた。そして、まだ赤ちゃんである娘を抱っこする。

この順番がとても大事で、その行為はわたしの自尊心を満たしてくれる。

 

出産前からずっと言っていたことがある。

 

子供よりもわたしを先にしてくれ。何事も。

みんながわたしよりも子供を優先したり可愛がったりしたらきっと嫉妬する。子供を可愛いと思えなくなる。わたしがいるから子供がいる。だからまずはわたしを愛でろ。

 

だってわたしは末っ子だから。

母親歴よりも末っ子歴のほうがずっとずっと長いから。

いきなり母親の精神力を持てと言われても無理だから。

子供を可愛がれる母親になる為に、まず自分自身が満たされなければいけない。

 

いいか?子供が出来ても、君にとっての一番は妻であるわたしでなければならない。そうじゃなきゃ子供に嫉妬して狂うだろう。君はわたしを愛で続けなければならない。世界はそうやって回っているんだ。

 

と、夫には妊娠中から唱え続けていた。

彼はそれを忠実に実行してくれている。

 

相手が誰であろうと、負けたくない。

勝ち負けではないのはわかっているけれど、そういうことじゃなくて。

幼い子供相手に何言っているんだとか、親になったんだからそんなことどうでもいいじゃないかとか言われるかもしれない。子供第一の熱心な親御さんからは軽蔑されるかもしれない。それでも、わたしにとってはとても大事なことだから。

 

親になったら大人になれるのかと思っていた。

そうじゃなかった。

親になっても、そうそう人格は変わるものじゃなかった。

 

わたしはいつまでも末っ子のままだ。

 

そんな自分も嫌いじゃない。

 

末っ子精神を持つ親だからこその子育てだってあるはず。

だからわたしはこのまま、大人になれない、物わかりの悪い末っ子のままでいく。

そんな母親がいたっていいんだ、きっと。